貧者の兵器 2017 4 1

 相変わらず、先進国の指導者は、
戦闘機や戦車よる戦いを夢見ていますが、
発展途上国や貧困国の指導者は、現実的です。
そういう兵器で戦っても勝てる見込みがないからです。
 だからこそ、弾道ミサイルを開発するのです。
たとえ、弾道ミサイルに核兵器を搭載しなくても、
効果的な使い方があります。
 先進国の軍事基地は、弾道ミサイルによる攻撃を想定していないでしょう。
たとえ、格納庫に直撃しなくても、滑走路に穴を開ければ十分でしょう。
あるいは、民間空港の滑走路に穴を開けるという手法もあります。
世界には、巨大空港が多数存在して、経済の中心となっています。
 このような弾道ミサイルを防ぐ方法はありません。
多くの人がミサイル防衛システムを連想するでしょうが、
このようなシステムは、技術力の誇示には役立ちますが、実用的ではありません。
 基本的に弾道ミサイルを発射する時は、飽和攻撃となります。
つまり、大量の弾道ミサイルを同時に発射することになります。
こうなると、ミサイル防衛システムは、全く意味がありません。
 先進国は、戦闘機や戦車の開発に猛進して、
発展途上国は、弾道ミサイルや携帯式ミサイルの開発に猛進しています。
 先進国の指導者は、ミサイルの時代になったことに気付いていないのです。
非常に高価な戦車や戦闘ヘリが、携帯式の安価なミサイルで撃破できる時代になったのです。
お蔭で、戦車は歩兵をともなう必要があり、戦闘ヘリは空を飛べなくなりました。
 さて、ここまで来ると、弾道ミサイルを防ぐには、
先制攻撃しかないという結論に至るでしょう。
 日本は、憲法上、先制攻撃ができない国なので、
アメリカに「依存」するしかないでしょう。
 あとは、「気象」ですか。
大昔、巨大国家だったモンゴル帝国が日本を侵略しようと、
当時としては、世界最大の大艦隊を派遣した時に、
突然、巨大台風が到来して、大艦隊は敗北しました。
 評論家の長谷川慶太郎氏によると、
北朝鮮は、山岳地帯が多く、しかも「はげ山」が多いというのです。
つまり、北朝鮮は、風水害に非常に弱いのです。
軍事施設もミサイル設備も土砂災害になるでしょう。
 日本には、巨大台風が何度も襲来しますが、
突然、台風の進路が変わり、史上最大の台風が朝鮮半島を目指す。
こうなると、北朝鮮は壊滅状態になるでしょう。
 それにしても、日本の国防は、
「アメリカ依存」か「気象」しかないのでしょうか。
このような第三者による防衛をあてにするようでは、国が亡ぶでしょう。
平和ボケという不治の病は、いつまで続くのか。

非対称の時代 2013 1 14
 私が発展途上国の軍事指導者だったら、こう考えます。
「残念ながら、わが国では、工業力の塊である戦車を作ることはできない。
 戦闘機だって同じである。
機体を真似て作ることはできても、高性能なジェットエンジンは作れない。
 艦船も同じだ。
外見を真似て作ることはできても、高出力のエンジンは作れない。
 さあ、どうするか。
もはや、わが国は先進国に勝てないのか。
 ちょっと待て。
安価な対戦車ミサイルで、高価な戦車を撃破できると聞いたことがある。
 そうだ。
わが国でも、ミサイルならば開発できる。
対戦車ミサイルどころか対艦ミサイルや対空ミサイル、
いや弾道ミサイルだって作れる。
 さすがに米国まで届く長距離ミサイルは技術的に難しいが、
近距離の弾道ミサイルだったら、100発でも200発でも作れる。
こうしたミサイルを大量生産できる」
 このように発展途上国の軍事指導者は、現実的に考えますが、
先進国の軍事指導者は、相変わらず、
戦車対戦車、戦闘機対戦闘機、艦船対艦船の戦いを想定しています。
 実に、非対称の時代になったものです。
そう言えば、昔も似たようなことがありました。
 日本海軍は、戦艦対戦艦の戦いを夢見て、
世界最大の巨大戦艦「大和」を建造しましたが、
時は、空母の時代、いや航空戦力の時代になっていました。
 国民からは、ミサイル時代になっても、
日本には、ミサイル防衛システムがあるから大丈夫だという安全神話が出てきそうです。
 しかし、ミサイル防衛システムというものは、
技術力の誇示には有効でも、実用性はありません。
理想的な条件が揃えば、ミサイル防衛システムは有効かもしれないというレベルです。
 では、対応策はないのか。
これは、何度も書いていますが、
相手国が弾道ミサイルを開発したら、自分の国も弾道ミサイルを開発することです。
 それができないならば、次善の策として、
巡航ミサイルを500発程度用意することです。
潜水艦発射型でも駆逐艦発射型でもいいでしょう。
 今、日本がしなければならないことは、
最新鋭の戦車を作ることでもなく、最新鋭の戦闘機を買うことでもありません。
弾道ミサイルや巡航ミサイルこそ、日本に必要なものです。













































































































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